
将棋界の頂点を争う第39期竜王戦七番勝負。盤上の張り詰めた駆け引きと同じくらい、多くの将棋ファンやグルメ好きの熱い視線を集めるのが、対局中に棋士たちが口にする「勝負メシ」や「勝負おやつ」です。
2026年10月22日、静岡県三島市の歴史ある名刹・三嶋大社を舞台に幕を開けた第39期竜王戦七番勝負第2局。三島市の市制施行85周年記念事業として開催されたこの晴れ舞台で、竜王6連覇を目指す藤井聡太竜王と、勢いに乗る挑戦者の服部慎一郎七段が注文したメニューが大きな話題を呼んでいます。
特にファンや地域の人々をあっと驚かせたのが、藤井竜王が初日の昼食に選んだ「鰻(うなぎ)のカツ勝つカレー三島野菜添え」という個性あふれる一皿でした。三島といえば言わずと知れたうなぎの名産地ですが、それを贅沢に「カツ」に仕立ててカレーと合わせるという大胆な組み合わせに、対局を見守る人々から驚きと称賛の声が上がっています。
この記事では、藤井竜王が選んだ「鰻のカツ勝つカレー」のこだわりや味わいの秘密をはじめ、午前・午後のおやつ、そして挑戦者である服部慎一郎七段が選んだ魅力あふれる地元グルメまで、三島対局の「食」の魅力を余すところなく詳しくお届けします。
三島対局の目玉!藤井竜王が選んだ「鰻のカツ勝つカレー」の全貌
将棋のタイトル戦では、開催地の名物や特産品をふんだんに取り入れたメニューが数多く用意されます。今回、三島市では対局の開催に先駆けて市民や全国のファンが参加する「勝負めしコンテスト」が開催され、総投票数はなんと2万2202票にも達しました。そんな熱狂的な期待の中で、藤井竜王が初日の勝負どころで選んだのが「鰻のカツ勝つカレー三島野菜添え」でした。
「うなぎ×カツ×カレー」という贅沢かつ大胆な組み合わせ
三島市は、富士山の伏流水で数日間さらされた臭みのない極上のうなぎが味わえる「うなぎの街」として全国に名を馳せています。一般的な勝負メシであれば、王道の「うな重」や「蒲焼き」が選ばれることが多い中、登場したのはなんと揚げたての「うなぎカツ」を乗せた特製カレーでした。
提供を手がけたのは、地元三島で愛される名店「うなぎ処京丸」です。ふっくらと蒸して香ばしく仕上げたうなぎを、サクサクの衣で包んでカラッと揚げたうなぎカツは、外はクリスピーで中は驚くほどジューシーで柔らかな食感。コクのあるスパイシーなカレールーと絶妙に調和し、これまでにない贅沢な風味を生み出しています。
さらに料理名にある「カツ勝つ」のフレーズ通り、二重の「カツ(勝つ)」をかけた縁起の良さも対局の場にぴったり。激しい頭脳戦を制するための力強いスタミナ源として、まさに申し分のないメニューとなっています。
箱根西麓三島野菜とみしまコロッケが彩る地元愛
このカレーの魅力は、うなぎカツだけにとどまりません。富士山からの清らかな風と豊かな土壌、日当たりの良さに恵まれた「箱根西麓三島野菜」が彩り豊かに添えられている点も見逃せないポイントです。
素揚げにされた季節の三島野菜は、素材そのものが持つみずみずしい甘みと力強い風味がぎゅっと凝縮されています。さらに、全国的なご当地グルメとしても有名な「みしまコロッケ」(三島馬鈴薯=メークインを100%使用したしっとり甘いコロッケ)もトッピングされており、一皿の中に三島の「美味しいもの」がすべて詰め込まれた圧巻のボリュームと完成度を誇っています。
ドリンクにもこだわり!「箱根西麓にんじんジュース」
藤井竜王は、昼食のドリンクとして「箱根西麓三島野菜を使ったにんじんジュース」を合わせて注文しました。
箱根西麓で育つにんじんは、冬の寒さにさらされることで糖度が増し、フルーツのように甘いのが特徴です。濃厚でありながらすっきりとした後味のにんじんジュースは、長時間の深い思考で疲れた脳を優しく癒やし、午後の対局に向けた集中力を高める最高の一杯となったに違いありません。
午前・午後を彩る「勝負おやつ」藤井竜王が選んだスイーツ
竜王戦をはじめとする将棋のタイトル戦では、午前10時と午後3時に棋士たちへ提供される「おやつ」も大きな注目を集めます。頭脳をフル回転させる棋士にとって、糖分補給は指し手の精度を左右する極めて重要な時間です。藤井竜王が選んだおやつを見ていきましょう。
【午前のおやつ】伝統が息づく三嶋大社名物「福太郎餅」
対局初日となる2026年10月22日の午前10時、藤井竜王が選んだのは、対局場となった三嶋大社の名物として古くから親しまれている「福太郎餅(ふくたろうもち)」と「アイスミルクティー」のセットでした。
福太郎餅は、三嶋大社に伝わる五穀豊穣を祈る神事「田祭(お田打ち神事)」に登場する黒面の狂言役「福太郎」にちなんで作られた由緒ある草餅です。天然のよもぎをたっぷり練り込んだ風味豊かな草餅を、あっさりとした上品な甘さのこし餡で包み込んでいます。
特徴的なのはその形状で、福太郎が被る烏帽子(えぼし)の形を模しており、どこかユーモラスで愛らしい姿をしています。「邪気を払い、福を呼ぶ」とされる縁起の良いお菓子であり、対局場そのものの歴史と伝統を肌で感じられる、地元に寄り添った素晴らしいセレクトでした。
【午後のおやつ】濃厚チーズケーキと三島和紅茶の贅沢なマリアージュ
午後3時の糖分補給タイムに藤井竜王が選んだのは、しっとりと焼き上げられた「チーズケーキ」と、「三島の和紅茶のロイヤルミルクティー」でした。
コクのあるなめらかな口当たりのチーズケーキは、午後の最も集中力が求められる局面において、素早く質の高いエネルギーを届けてくれます。そして合わせたドリンクは、地元・三島で丁寧に栽培・製茶された和紅茶を使ったロイヤルミルクティー。日本の茶葉特有の渋みが少なく優しい香りと、ミルクのまろやかさが見事に調和した一杯で、緊迫した対局室の中に優雅なリラックスタイムをもたらしました。
挑戦者・服部慎一郎七段の勝負メシ&おやつセレクト
藤井竜王のメニューが大きな注目を集める一方で、竜王初挑戦となった服部慎一郎七段のセレクトもまた、若々しさと地元への敬意が詰まった魅力的なラインナップでした。
【昼食】スタミナ抜群!ハンバーグと北海道産サーロインステーキの膳
服部七段が初日の昼食に選んだのは、力強さを感じさせる「ハンバーグと北海道産サーロインステーキの膳」に「クラフトコーラ」の組み合わせでした。
肉汁たっぷりのジューシーなハンバーグと、柔らかく旨味の詰まった北海道産サーロインステーキがセットになったボリューム満点の御膳は、これから続く長時間の盤上戦を戦い抜くためのスタミナをつけるのに最適なメニューです。添えられたクラフトコーラのスパイス感と爽快感が、勝負に向けた気持ちをキリッと引き締めました。
【午前のおやつ】新感覚スイートポテト「ぽてと園」&紅ほっぺフラペッチャ
午前のおやつにおいて、服部七段は洋風の甘味を選択しました。選ばれたのは、地元の人気銘菓であるスイートポテト「ぽてと園」と、地元・三島産のいちご「紅ほっぺ」を使ったフローズンドリンク「三島産紅ほっぺのフラペッチャ」です。
「ぽてと園」は、さつまいもの自然な甘みとバターの芳醇なコクが口いっぱいに広がる、しっとりとした新感覚のスイートポテト。そこに、紅ほっぺならではの甘酸っぱさと爽やかな冷たさが嬉しい「フラペッチャ」を合わせるという、見た目にも華やかで爽やかなデザートタイムとなりました。
【午後のおやつ】自家製アップルパイと寿太郎レモンスカッシュ
午後のおやつに服部七段が注文したのは、「自家製アップルパイ」と「寿太郎レモンスカッシュ」でした。
香ばしく焼き上げられたパイ生地の中に、シャキッとした食感を残しながらじっくり煮込まれたりんごがぎっしり詰まったアップルパイ。そして、静岡のブランドみかんとして名高い「寿太郎みかん」の産地近くで作られたフレッシュなレモンスカッシュの弾ける酸味。午後の疲労が蓄積しやすい時間帯に、心地よいリフレッシュをもたらす完璧な組み合わせでした。
三島対局の「食」一覧まとめ
ここで、2026年10月22日に行われた第39期竜王戦第2局・初日のメニューを一覧表で振り返ってみましょう。
| 時間・区分 | 藤井聡太竜王の注文 | 服部慎一郎七段の注文 |
|---|---|---|
| 午前のおやつ (10:00) |
・福太郎餅(三嶋大社名物) ・アイスミルクティー |
・ぽてと園(スイートポテト) ・三島産紅ほっぺのフラペッチャ |
| 昼食 (12:10) |
・鰻のカツ勝つカレー三島野菜添え ・箱根西麓にんじんジュース |
・ハンバーグと北海道産サーロインステーキの膳 ・クラフトコーラ |
| 午後のおやつ (15:00) |
・チーズケーキ ・三島の和紅茶ロイヤルミルクティー |
・自家製アップルパイ ・寿太郎レモンスカッシュ |
両棋士ともに、地元の特産品や名物料理を巧みに取り入れつつ、自身の体調や好みに合わせたバラエティ豊かな選択を行っていることがよく分かります。
白熱の盤上!角換わりから始まった1日目の熱戦
充実した勝負メシやおやつに支えられ、盤上でも息をのむような緊迫した戦いが繰り広げられました。対局の進行についても少し触れておきましょう。
本局の戦型は、現代将棋の王道ともいえる「角換わり」に進みました。先手の服部七段が果敢に仕掛ける姿勢を見せる中、受けて立つ後手の藤井竜王は「右玉」の陣形を採用。序盤からお互いの研究の深さと持ち味がいかんなく発揮される展開となりました。
昼食休憩を挟んだ午後の対局では、一手ごとに何十分も深く読みを入れる長考の応酬が続き、対局室には静寂と緊張感が張り詰めます。そして1日目の午後6時、藤井竜王が62手目を封じて1日目の対局が終了しました。形勢は互角と見られており、2日目の指し継ぎに向けてどのような構想が描かれているのか、ファンにとっても目が離せない展開となっています。
ファンの反応・SNSの声
藤井竜王が「鰻のカツ勝つカレー」を注文したという一報が流れると、インターネット上やSNSでは将棋ファンのみならず、多くのグルメ愛好家や地元住民から大きな反響が巻き起こりました。その一部を抜粋してご紹介します。
うなぎをカツにするなんて発想、今まで思いつかなかった!しかもそこにカレーと三島野菜が合体しているなんて、贅沢すぎて見てるだけでお腹が空いてくる。
X(旧Twitter)投稿より
うな重のイメージが強い三島において、あえて「うなぎカツカレー」という変化球でありながら超豪華な一品を選んだことに、驚きと羨望のまなざしを向けるファンが非常に多く見られました。
三嶋大社の境内で食べる福太郎餅は本当に美味しいんですよね。藤井竜王が午前のおやつに選んでくれて、地元の人間としてなんだか誇らしい気持ちになりました!
将棋ファンコミュニティの口コミ
歴史ある名物「福太郎餅」の登場には、地元・静岡や三島にゆかりのある人々から喜びの温かい声がたくさん寄せられていました。地域の伝統菓子がこうして全国に紹介されるのは、タイトル戦ならではの素晴らしい魅力です。
服部七段のハンバーグ&ステーキにクラフトコーラも若手らしくて力強いし、藤井竜王の勝負メシも縁起が良くて最高。二人とも三島のグルメを存分に堪能してくれていて見ていて楽しい!
対局観戦者の声
両対局者が選んだ個性豊かなメニューの対比を楽しむ声も目立ちました。盤上の厳しい戦いとは対照的に、食事やおやつを通じて伝わってくる地域の魅力に、多くの人が癒やされ、心を躍らせていることが伝わってきます。
勝負メシがもたらす街の活気と今後の注目ポイント
藤井竜王がタイトル戦で口にしたメニューやおやつは、対局中だけでなく対局後も「同じものを食べてみたい!」と多くのファンが聖地巡礼に訪れる一大ムーブメントを生み出します。
今回、メニューを提供した「うなぎ処京丸」をはじめとする地元の飲食店や菓子店には、早くも大きな反響が寄せられており、三島市制施行85周年を祝う街全体がお祭りムードのような歓迎の熱気に包まれています。地元食材をふんだんに使った企画がこうして実を結び、全国へ三島の豊かな食文化が発信された意義は非常に大きいと言えるでしょう。
盤上における藤井竜王の6連覇への歩みと服部七段の力強い挑戦、そして盤外で繰り広げられる魅力あふれるご当地グルメの数々。これからも、将棋の奥深い魅力とともに、各地の美味しい食の物語に注目していきましょう!